消えた市区町村名の謎 地名の裏側に隠されたふるさとの「大人の事情」

八幡和郎

なぜ、福岡県宇島市はたった4日で消えたのか?
誰も調べなかった細かすぎる雑学を日本一マニアックに掘り起こす!

定価
880円(本体800円+税10%)
ISBN
9784781680316
JANコード
1920225008003
NDC分類
291
発売日
2017年7月7日
判型
新書判  
製本
ページ数
224ページ
カテゴリー
歴史・地理
シリーズ
イースト新書Q

詳細Detail

  • 内容紹介
  • 目次
現在、日本には1,718の市町村がある。しかし、現在の市町村の枠組みがスタートした明治中期には、約15,000もの市町村がひしめき合っていた。明治、昭和、平成の大合併を経る過程で、各地で賛否両論があり、その名は場当たり的な「大人の事情」によって決定づけられていく。たった4日で消滅した市、合併で村に“降格”されてしまった町、藩の中心だったのに合併されてしまった市町村など、市区町村名にまつわる雑学をベストセラー作家が完全網羅。

八幡和郎(やわた・かずお)
1951年、滋賀県大津市に生まれる。東京大学法学部を卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。北西アジア課長、大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任。在職中にフランスの国立行政学院(ENA)に留学。現在は徳島文理大学大学院教授を務めるほか、作家、評論家として活躍中。著書は90冊を超え、ベストセラー『江戸三〇〇藩 最後の藩主』(光文社新書)のほか、近著に『古代史が面白くなる「地名」の秘密』(洋泉社・歴史新書)、『47都道府県県庁所在都市〈東日本編・西日本編〉』(講談社)、『江戸全170城 最期の運命』『誤解だらけの韓国史の真実』『誤解だらけの平和国家・日本』『誤解だらけの京都の真実』『消えた都道府県名の謎』(イースト・プレス)などがある。
はじめに 市区町村の数だけ、そこに生きる人々のドラマがある

第1章 地理マニアも知らない「市区町村名の法則」

なぜ、市区町村名は漢字が多いのか
なぜ、市町村名は収まるべきところに収まるのか
なぜ、市町村は「合併」を繰り返すのか
なぜ、同名の市町村名が各地にあるのか
なぜ、「接頭語」がついた市町村名が多いのか
なぜ、市町村名は「2文字」が多いのか

第2章 ルーツで読み解く消えた市区町村名

ルーツ①──合成地名
一般的によく使われている合成名称/わかりにくすぎて消えた合成地名/いい合成地名の誕生で消えた市町村名
ルーツ②──郡名
郡の中心でなかったのに郡名を市町村名にしたケース/なぜ、「魚沼」は2つあるのか/「郡名=市町村名」が急増した西日本
ルーツ③──カタカナ地名
昭和に生まれ、平成に減少したカタカナ市町村名/幻に終わったカタカナ市町村名
ルーツ④──ひらがな地名
いわき市の成功で全国区になったひらがな市町村名/ひらがな市町村名のほとんどは「大人の事情」で生まれた/ここまでひらがな市町村名にしてしまっていいのか
ルーツ⑤──人名、企業名、宗教団体名
その地方を治めた名家の名字が残った市町村名/天理市だけではない寺社仏閣に関係する市町村名
ルーツ⑥──瑞祥地名
じつはめでたい地名だった全国各地の「松山」/明治、大正、昭和……元号をつけた町村名
ルーツ⑦──広域地名
沖縄県のどこにあるのかわかりにくい沖縄市/令制国名に消された市町村名〈昭和編〉/令制国名に消された市町村名〈平成編〉

第3章 消えた市区町村名なんでも雑学

5つもあった群馬県東村
藩名と市町村名の微妙な関係
村に「降格」された町があった
「飛び地」にまつわるエトセトラ
市町村名になった殿さまの故郷
市町村名に残ったお城、残らなかったお城
歴史から封印された市町村名

第4章 消えた「市」の謎

戦前に市制施行したのに消えた市
大都市に合併された悲運の市
昭和、平成の大合併に翻弄されて消えた市
1年以内に消えてしまった短命の市
那覇市の発展の陰で消えた「2つの市」

第5章 全国11大都市の消えた市区町村名

人口10万人超の町村だらけだった東京23区
かつて織豊村という村があった名古屋市
「洛中」にあった町村、「洛外」にあった町村
大阪市の発足当時は町村部だった難波、天王寺
本当は「福岡県博多市」になるべきだった福岡市
大都市の陰に消えた市区町村名
     札幌区から少しずつ拡大していった札幌市/大規模合併で政令指定都市になった仙台市/横浜市が「神奈川市」にならなかった事情/摂津国と播磨国にまたがる神戸市/郡名を区名に採用した広島市/いまでも旧5市に基盤を置いている北九州市

第6章 市区町村名の1‌2‌0年史

すべての市町村名が消滅した時期があった
いわゆる「市町村」の誕生
「郡」はどんな役割があったのか
昭和の大合併、平成の大合併の背景とは

参考文献

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