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- 内容紹介
なぜドラッグストアは一人勝ちできたのか!?
小売業が大激変に見舞われた平成時代に、急成長を遂げたドラッグストア――。薬局・薬店にしかすぎなかった個人商店から、いかにしてチェーン化を成功させていったのか。アメリカ小売業からの模倣と別様な業態への進化、食品やペットフードまで取り扱う品揃えの拡充、美容・健康ニーズという時代の追い風、そしてデジタルシフトへの取り組み。「マツモトキヨシ」「ツルハ」「ウエルシア」「コスモス薬品」……街のインフラとしての地位が確立され、スーパーもコンビニも脅かす存在となったドラッグストア、その躍進の歴史と展望に迫る。
〈目次〉
第一章 薬局からドラッグストア・チェーンへの転換
一 昭和時代には薬局・薬店にすぎなかった
日本で最後に登場、成長した小売業態
Dg.S企業の歴史は実は古い
昭和時代は「GMS」が小売業の王様
製薬メーカーからの自立を選んだ薬局
薬局同士の共同チェーン化から始まった
二 アメリカと日本のドラッグストア
チェーンストアはアメリカの模倣から
日米の小売業はパラレルワールド
アメリカDg.Sの売上は、七割が「調剤」
ショッピングセンターとともに拡大した「スーパー・ドラッグストア」
食品を強化した「メガ・ドラッグストア」時代
失敗した日本型「コンビネーションストア」づくり
「コンビニエンス・ドラッグストア」づくりへの挑戦
ウォルグリーンが飛躍した「ドライブスルー調剤」
第二章 ドラッグストア成長記
一 第一次ドラッグストア成長期(八〇年代後半〜九〇年代半ば)
「マツモトキヨシ」による都市型Dg.Sが革命を起こした
Dg.S史上初の売上高一〇〇〇億円突破
スーパー・ドラッグストア開発の二つの方向
大店法時代に大量出店した「一五〇坪型Dg.S」
新業態は消費者の変化によって生まれる
「パーソナル消費」という時代の追い風
高まる「美容と健康」のニーズ
二 第二次ドラッグストア成長期(九〇年代半ば〜〇〇年代末)
大店法の緩和により競争環境が激変
スーパーストア化によるオセロゲーム
アメリカからの外圧で大店法が廃止される
化粧品、医薬品の再販制度が撤廃
「安売り」がDg.Sを急成長させた
ツルハシまで置く、果敢な品揃え
「三〇店舗の壁」を越えられなかった企業も
「資本増強」の有無がその後の明暗を分けた
投資回収の早いビジネスモデル
「小商圏・ドミナント出店」という時代に合った戦略
「販売キャッシュフロー」を生かした大量出店
三 第三次ドラッグストア成長期(〇〇年代末〜現在)
平成最後の一一年間で驚異の成長
店舗数二〇倍のビジョンを掲げた「ツルハ」
現場主義の精神が快進撃を生んだ
M&A戦略で一気にグループ規模拡大
もっとも遅い時代に成長した「ウエルシア」
合併先企業の社員を厚遇する経営哲学
調剤併設型Dg.Sにこだわり続ける
「店舗年齢」を若く保つことの重要性
一五〇坪Dg.Sを大量閉店した「マツモトキヨシ」
第三章 ドラッグストアの武器は何か
一 接客を強化して伸びた「化粧品」販売
部門ではなく「カテゴリー」が売場づくりの単位
「一〇分ストア」かつ「ウィークリーストア」
「専門性」と「便利性」を両立させた接客
化粧品販売はメーカー横断型で
女性経営者が化粧品売場をつくった
「試して買える」がDg.Sの強み
化粧品でロイヤルカスタマーを囲い込む
「大人用紙おむつ」は店員も購入者も使用経験がない
「手書きPOP」で宝探し的な楽しさを演出する
二 「食品」販売の主役にまで躍り出る
「都市型」「郊外型」「調剤併設型」という三つのタイプ
「食品強化型Dg.S」では食品が売上の半分を占める
「安さ」を武器に他業態から客を奪う
一つに括れないほど多様化する業態の進化
「特売」から「EDLP」へと主流は移っていく
接客レベルを調査すると……
経営構造すら企業によって大きく異なる
三 主力部門であり続ける「医薬品」「調剤」の未来
医薬品はDg.Sの主力部門
医薬品のストアブランドづくり
専売品の推奨販売で差別化と利益確保
調剤市場はDg.S市場と同じくらい大きい
「医薬分業」が調剤薬局を生んだ
アメリカDg.Sの調剤はロスリーダー
薬剤師が地域でもっとも身近な医療人に
第四章 ドラッグストアの未来戦略
一 加速するデジタルシフトの波
デジタル対応が将来を左右する
デジタルによる新しい買物体験の提供
オンラインとリアルの融合
マーケティングの「バーソナライズ」が進んでいく
地域密着を掲げる「サツドラ」「サンキュードラッグ」
ローカルDg.Sの逆襲が始まる
強い「企業文化」が勝敗を決める
東日本大地震で見せた現場の使命感
熊本地震への対応力は、日ごろの店舗づくり経験から
二 withコロナ時代のインフラに
コロナ禍で「ライフライン」となったDg.S
withコロナ時代の購買行動の変化
店数が増えれば増えるほど、「徹底力」が重要
DtoC時代にこそ求められるSB開発
マツモトキヨシによる新たなPB開発
貪欲なラインロビングへの挑戦
大企業病で組織は崩壊する
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