コンビニチェーン進化史

梅澤聡

進化の果ての「24時間営業」は、小売の究極形態か!? 地獄の職場か!? 常に「消費の最先端」を歩む、その革新の秘密に迫る

定価
946円(本体860円+税10%)
ISBN
9784781651200
JANコード
1920230008609
NDC分類
673
発売日
2020年2月12日
判型
新書判  
製本
ページ数
296ページ
カテゴリー
ビジネス・経済
シリーズ
イースト新書

詳細Detail

  • 内容紹介

“当たり前”に使うコンビニは、“驚異”の「イノベーション」の宝庫!


進化の果ての「24時間営業」は、小売の究極形態か!? 地獄の職場か!?

常に「消費の最先端」を歩む、その革新の秘密に迫る。



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「お客様第一」が数々の革新を生んだ!

「コンビニエンス・ストア」は、「便利な小売店」の枠を超えて、今や「街のインフラ」としての地位を占めるまでになっている。そこには、徹底したドミナント戦略、三〇〇〇を超える商品の供給・流通網の整備、販売機会を逃さない単品管理システムの導入、コンビニ食開発による新規需要創造、チケット端末やATMをはじめとしたサービス機能の拡充など、数々の革新があった。なぜコンビニは、ここまで消費者需要を取り込み続けられたのか。果たして今後も、持続的に成長していける業態なのか。元「月刊 コンビニ」編集長が、その進化の歴史と展望を解説する。





<目次>


はじめに


第一章 「コンビニエンス・ストア」の夜明け


一 「セブン‐イレブン」創業に上がった反対の声

アメリカをモデルにした「チェーンストア」づくり

史上初のコンビニは製氷会社から

アメリカのチェーンストア発展史

コンビニ業態は日本に根付くのか?

「パパママ・ストア」の存在と「大規模小売店舗法」の制定


二 三大チェーンによる一号店の出店

なぜ「セブン‐イレブン」はフランチャイズから始まったのか?

酒屋だった山本憲司の「缶ビール」への着眼

中内㓛が逡巡した「ローソン」の設立

「新たなライフスタイルを提案する」という想い

自力のノウハウにこだわった「ファミリーマート」


第二章 新興勢力参入による「コンビニ群雄割拠」


一 「新興コンビニ」が狙った差別化戦略

コンボストア業態で攻めた「ミニストップ」

ユニーの総合力を背景に拡大した「サークルK」

生鮮品とカウンターフーズに注力した「サンクス」

山崎製パンが販売店を守るために出店した「デイリーヤマザキ」


二 「ローカルチェーン」拡大の波

北海道で大手に負けない勢力を誇る「セイコーマート」

独自の弁当を販売する広島発祥の「ポプラ」

他社が手を出さない北関東圏を固める「セーブオン」

地元密着で神奈川に地盤を築いた「スリーエフ」


三 古くからあった「ボランタリーチェーン」の限界

小売店の共同運営から始まった「マイショップ」

ミニ・スーパーの連合体としての「Kマート」

酒屋を守るために連携した「ココストア」

ローソンが取り込んだ「サンチェーン」とは?

鈴木敏文が喝破した「コンビニのあるべき姿」


第三章 コンビニの屋台骨を支える「巨大流通システム」


一 需要を逃さない「商品管理システム」の進化

流通にかかる膨大な作業の削減

「梅」と「シーチキンマヨネーズ」は、同じ「おにぎり」でもまるで違う商品

「気象情報」さえも貴重な情報源に


二 多種多様な商品販売を実現する「供給体制」の整備

コンビニは「客の需要」を基点とする

「集約化」と「共同化」が豊富な品揃えを可能にする

「廃棄ロス」も「機会ロス」も避ける一日三便

客の動きを計算した「店舗レイアウト」


三 「ドミナント戦略」がもたらすメリット・デメリット

「一定エリアを独占する」という小売の基本

運営コストの大幅削減が可能に

「二四時間営業」はこうして始まった


第四章 需要を創造する「コンビニ食」


一 「コンビニ食」の誕生

「安売り」ができないコンビニが取った戦略

「おにぎり」への着目は、なぜ生まれたのか?

弁当惣菜の開発を支える「協同組合」の力


二 ヒット商品の開発秘話

「面倒くさい」という需要をつかんだ「おにぎり」

「焼き立てパン」を全国に届ける

蒸しておくことで市場を拓いた「中華まん」

コンビニ発で広まった「ブリトー」

「健康」という新たなコンセプトを持った「ヘルシア緑茶」

「コンビニスイーツ」のブーム


三 「地域性」への着目と「新規需要」の創出

「全国一律」ではない「地域」対応

「唐揚げ弁当」の唐揚げは、ご当地商品

具材とつゆが決め手の「おでん」

人気ラーメン店とコラボする「カップ麺」

「コンビニコーヒー」が生むカフェ需要


第五章 「インフラ化」するコンビニ


一 「サービス産業」を取り込むコンビニ

消費に沸いた時代と出店競争

「コンビニサービス御三家」の開拓

IT時代を見越した「インターネット端末」の拡充

「宅配」に力を入れた「am/pm」の戦略

「eコマースは脅威ではない」という自信

暴挙と目された「セブン銀行」開設


二 客層拡大を狙った新業態への模索

健康志向に合わせた「ナチュラルローソン」

女性向けコンビニ「HAPPILY」

撤退物件を狙った「SHOP99」の脅威

「シニアにやさしい」を目指す新型店舗


三 「震災」とコンビニの使命

「阪神・淡路大震災」と中内㓛の小売魂

「新潟県中越地震」の際に見た緊急対応

「東日本大震災」からの早急な営業再開


第六章 「ビッグ3競争時代」と「コンビニの未来」


一 相次ぐ統合により三つ巴の争いへ

「コンビニ飽和論」の打破

大合併によりファミリーマートとローソンが猛追

経営規模と商品の質との関係

社会構造の変化を見込んだ「新型レイアウト」の設計


二 「夕夜間」競争と「ラストワンマイル問題」の克服

「お母さん食堂」「鍋から〆まで楽シメる!」「ビュッフェ形式」

「冷凍食品」が新たな武器になる

巨大流通業者「アマゾン」への対抗策

「ドローン」を使って「からあげクン」を売る

「自販機型」「複合店舗」という発想


三 「二四時間営業問題」と深刻な人手不足

なぜ「二四時間営業問題」は起こったのか?

疲弊するコンビニ店長の本音

「世論の声」は聞き入れるべきか?

一日三便から二便への「逆行ではない」取り組み

深夜帯の「無人店舗化」への実験

「外国人スタッフ」を十全に受け入れる


おわりに

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