データ・リテラシーの鍛え方 “思い込み”で社会が歪む

田村秀

市場調査、過剰広告、動員アンケート、大学ランキング
…… 巷にあふれる情報に騙されるな!

定価
946円(本体860円+税10%)
ISBN
9784781651194
JANコード
1920230008609
NDC分類
350
発売日
2019年12月6日
判型
新書判  
製本
ページ数
208ページ
カテゴリー
政治・社会

詳細Detail

  • 内容紹介

内閣支持率の世論調査

「朝日新聞」調査)支持率38%、不支持率42%

「産経新聞」調査)支持率34.7%、不支持率56.1%

どうしてこうなる!?


調査1)回答者1万人 死刑制度廃止に賛成70% 

調査2)回答者600人 死刑制度廃止に反対70%

どっちを信じる!?


市場調査、過剰広告、動員アンケ―ト、世界大学ランキング……巷にあふれる情報に騙されるな!



「内閣支持率○○%」「顧客満足度No.1」「○○人に○人が利用」「○○ランキング第一位」……。現代人は膨大な情報に囲まれ、日々アンケート結果やランキングの数字を目にしている。しかし、そこには統計や調査手法の罠があり、真に受けると誤解するものだらけなうえ、ネット社会ではウソの言説が独り歩きしがちだ。ニュースや広告、キャンペーンなど、世の中に流布する「データに基づく話」には、どんな誤りがあるのか。実例を挙げてデータの裏にある問題点を解説し、騙されない方法を伝える。無意識にデータを過信し、「思い込み」で社会を見ないようにするための処方箋。



〈目次〉


まえがき


第一章──「ネット・アンケート」に潜むウソ

なぜアンケートをするのか?

アンケートの理想と現実

「不正統計問題」はいかにして起こったのか?

厚生労働省のリテラシーの低さ

無作為と作為の「抽出ごちゃまぜ」という禁じ手

インターネット・アンケート≠世論調査

「阪神上場」世論はどっちだ?

「注目されそうな都道府県」の一位は東京、では二位は?

転職者の八割がリクナビNEXTを利用!?

ごく一部の特定の声が「民意」になってしまう!?

禁煙条例制定をJTが妨害した!?

日本の女子学生の13%が援助交際をしている!?

二〇代男性の40%が性交渉経験なし!?

話にならないテレビの「一〇〇人アンケート」


第二章──すべての「ランキング」は参考値

ランキングが好きな日本人の国民性

あらゆるところにランキングが!

ランキングは誰が何のために作成している?

「ゆとり批判」の端緒もランキング!?

世界大学ランキングによって政策が動く!?

グローバルシフトで大学が歪む!?

国際競争力は経営者の愛国心ランキング!?

「地域の豊かさ」と作成主体の関係

地域ブランドとはただの知名度!?

専門家と顧客、正しいのはどっち!?

「顧客満足度調査」がはらむ大きな問題点

ランキングのメリットとは?

ランキングのデメリットとは?

ランキング結果はどのように眺めるべきか?

不本意にランキングされた際の対処法

求められるランキング作成者の品格


第三章──「うまい話」には裏がある

ロースクール・バブルはこうして起こった!

相次ぐ撤退と弁護士の飽和

すべては「法曹人口当たり人数」の見誤りから

「若者はなぜ三年で辞めるのか?」は本当か?

なぜ山梨県は自殺率が日本一なのか?

横浜の待機児童ゼロ達成は本当か?

「てっさがなんと一円」という広告に釣られると……

「年利15%相当額プレゼント」キャンペーンのカラクリ

「月五万円の積立で一億円が貯まる」と聞いて信じる?

「二〇一八年には合計特殊出生率二・四」という異常なビジョン!

「伊勢崎市は四人に一人が外国人」という誤報の真相

世界で一番人気の旅行先は大阪のUSJ!?

新潟市が金沢市をしのぐ観光地!?


第四章──データ・リテラシーを鍛えよう

一)常に比較の視点を持つ

二)「率」か「数」かに注意する

三)まず「概算」で把握する

四)「だいたい」という感覚の難しさを知る

五)パーセンテージ化する意識を持つ

六)「平均」と「偏差値」を使いこなす

七)グラフを使い分ける

八)「すそ切り」の是非に気をつける

九)グラフの誇張に用心する

一〇)日常の風景をよく観察する

一一)「家計」を見直す

一二)世界情勢をデータに置き換えて把握する

一三)「基本」に立ち返る

クイズ)日本にある小学校、中学校、高校の数は?


あとがき

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