JR北海道の危機 日本からローカル線が消える日
JR九州、JR四国も「単独維持困難路線」を発表…どこで道を誤ったのか?
- 定価
- 998円(本体907円+税10%)
- ISBN
- 9784781650913
- JANコード
- 1920230009071
- NDC分類
- 686
- 発売日
- 2017年10月6日
- 判型
- 新書判
- 製本
- 並
- ページ数
- 320ページ
- カテゴリー
-
趣味・実用
詳細Detail
- 内容紹介
- 目次
発足時には北海道全土を網羅していたJR北海道の路線だが、2016年末に大部分の路線が自力での維持が困難であることが発表され、札幌都市圏以外の全路線が消滅危機に瀕している。それ以前から、新型車両開発の中止と廃車分の運行本数の減便、メンテナンスの不備による脱線事故の多発など、利用者無視の経営方針が批判を集めている。そして、それは本州の過疎地帯や四国などでも起こりうる。JR四国も単独維持困難路線を発表した。JR北海道問題を起点に、日本の交通の未来、地方政策の問題について論じる。
佐藤信之(さとう・のぶゆき)
1956年、東京都江戸川区生まれ。亜細亜大学講師、一般社団法人交通環境整備ネットワーク相談役・会長、NPO法人全国鉄道利用者会議(鉄道サポーターズネットワーク)顧問、公益事業学会、日本交通学会会員。専攻・交通政策論、日本産業論。「鉄道ジャーナル」に論考を執筆するほか、著書に『新幹線の歴史』『鉄道会社の経営』『通勤電車のはなし』(中公新書)などがある。
佐藤信之(さとう・のぶゆき)
1956年、東京都江戸川区生まれ。亜細亜大学講師、一般社団法人交通環境整備ネットワーク相談役・会長、NPO法人全国鉄道利用者会議(鉄道サポーターズネットワーク)顧問、公益事業学会、日本交通学会会員。専攻・交通政策論、日本産業論。「鉄道ジャーナル」に論考を執筆するほか、著書に『新幹線の歴史』『鉄道会社の経営』『通勤電車のはなし』(中公新書)などがある。
はじめに
第一章 溶けてゆくJR北海道
四八%の路線が単独維持困難……「路線再編計画」の衝撃
炎上する列車内で乗客に待機を指示した車掌
相次ぐ経営幹部の「怪死」
「再生推進会議」で議論された厳しい経営状態
輸送密度二〇〇人未満─バスなどへの転換を求める
輸送密度二〇〇人以上二〇〇〇人未満─新たなしくみを協議
すでに話し合いを始めている路線─積極的廃線を提案した夕張市
札幌圏と輸送密度四〇〇〇人以上─維持可能な路線の動向
路線見直しに対する道の反応
路線見直しに対する国の反応
全国のローカル線問題① JR四国
全国のローカル線問題② JR九州
全国のローカル線問題③ JR東日本
全国のローカル線問題④ JR西日本
第二章 JR北海道と地方消滅
「経営安定基金」に頼るJR北海道、四国、九州
安全運行を阻む社員の高齢化と労使問題
「霞が関埋蔵金」による支援も
「貨物列車」というリスク
経営を圧迫する貨物のための「過剰すぎる」施設
JRグループを追いつめる高速道路無料化
政争の具となった高速道路料金
このままでは日本の公共交通全体が危ない
第三章 国鉄がつくったローカル線問題
意義のあるローカル線建設とは
ローカル線建設を推進した日本鉄道建設公団法
あの人気路線にも建設中断危機があった
同時に進められた廃止と建設
国鉄改革で参考とされた海外の鉄道政策
「赤字八三線」の選定
「特定地方交通線」の選定
建設された工事線、凍結された工事線
第四章 国鉄時代の北海道の鉄道
数字で見る北海道特有の事情
数字で見る北海道の鉄道
産業政策に翻弄された鉄道路線
国鉄が取り組んだ特急列車網の拡大
道東の大動脈となった石勝線の建設
函館本線、千歳線、室蘭本線の電化
赤字八三線、炭鉱路線の廃止
「急行」の特急化
「汽車型ダイヤ」から「都市型ダイヤ」への転換
「鉄道vs.高速バス」の攻防
高速バス路線の開設をめぐる「大人の事情」
第五章 国鉄解体とJRグループの誕生
最初から危惧された本州と三島の格差
JR三島会社をとりまく厳しい経営環境
ローカル線改革の切り札となった権限委譲
崩れゆく鉄道の優位性
生き残りの道は「高速化」しかない
ローカル線建設から幹線高速化へのシフト
第六章 JR北海道が輝いていた時代
バブル経済で豪華車両が続々登場
「ジョイフルトレイン」の誕生
青函トンネルの開業
「一本列島」誕生によるダイヤ改正
貨物列車も高速化を実現
「札幌駅高架化」によるダイヤ改正
特急列車「時速一三〇㎞時代」に突入した幹線
「都市型ダイヤ」への改革を図った札幌圏の路線
スクラップ・アンド・ビルドが進んだローカル線
魅力ある観光列車が続々登場
厳しい自然環境との戦い
第七章 JR北海道はどこで道を誤ったのか
高速化より効率化を重視する戦略
空港輸送にシフトした札幌圏の路線
効率化による減便が進むローカル線
縮小を迫られた夜行列車
北海道新幹線の開業は何をもたらしたか
サイドビジネスの展開
関連会社の再編と「Kitaca」の可能性
終 章 JR北海道復活への提言
設立当初のフレームワークを見直すべし
インフラを行政が保有する「上下分離方式」にすべし
あとがきにかえて
写真提供:武田泉(北海道教育大学准教授、特記以外)
第一章 溶けてゆくJR北海道
四八%の路線が単独維持困難……「路線再編計画」の衝撃
炎上する列車内で乗客に待機を指示した車掌
相次ぐ経営幹部の「怪死」
「再生推進会議」で議論された厳しい経営状態
輸送密度二〇〇人未満─バスなどへの転換を求める
輸送密度二〇〇人以上二〇〇〇人未満─新たなしくみを協議
すでに話し合いを始めている路線─積極的廃線を提案した夕張市
札幌圏と輸送密度四〇〇〇人以上─維持可能な路線の動向
路線見直しに対する道の反応
路線見直しに対する国の反応
全国のローカル線問題① JR四国
全国のローカル線問題② JR九州
全国のローカル線問題③ JR東日本
全国のローカル線問題④ JR西日本
第二章 JR北海道と地方消滅
「経営安定基金」に頼るJR北海道、四国、九州
安全運行を阻む社員の高齢化と労使問題
「霞が関埋蔵金」による支援も
「貨物列車」というリスク
経営を圧迫する貨物のための「過剰すぎる」施設
JRグループを追いつめる高速道路無料化
政争の具となった高速道路料金
このままでは日本の公共交通全体が危ない
第三章 国鉄がつくったローカル線問題
意義のあるローカル線建設とは
ローカル線建設を推進した日本鉄道建設公団法
あの人気路線にも建設中断危機があった
同時に進められた廃止と建設
国鉄改革で参考とされた海外の鉄道政策
「赤字八三線」の選定
「特定地方交通線」の選定
建設された工事線、凍結された工事線
第四章 国鉄時代の北海道の鉄道
数字で見る北海道特有の事情
数字で見る北海道の鉄道
産業政策に翻弄された鉄道路線
国鉄が取り組んだ特急列車網の拡大
道東の大動脈となった石勝線の建設
函館本線、千歳線、室蘭本線の電化
赤字八三線、炭鉱路線の廃止
「急行」の特急化
「汽車型ダイヤ」から「都市型ダイヤ」への転換
「鉄道vs.高速バス」の攻防
高速バス路線の開設をめぐる「大人の事情」
第五章 国鉄解体とJRグループの誕生
最初から危惧された本州と三島の格差
JR三島会社をとりまく厳しい経営環境
ローカル線改革の切り札となった権限委譲
崩れゆく鉄道の優位性
生き残りの道は「高速化」しかない
ローカル線建設から幹線高速化へのシフト
第六章 JR北海道が輝いていた時代
バブル経済で豪華車両が続々登場
「ジョイフルトレイン」の誕生
青函トンネルの開業
「一本列島」誕生によるダイヤ改正
貨物列車も高速化を実現
「札幌駅高架化」によるダイヤ改正
特急列車「時速一三〇㎞時代」に突入した幹線
「都市型ダイヤ」への改革を図った札幌圏の路線
スクラップ・アンド・ビルドが進んだローカル線
魅力ある観光列車が続々登場
厳しい自然環境との戦い
第七章 JR北海道はどこで道を誤ったのか
高速化より効率化を重視する戦略
空港輸送にシフトした札幌圏の路線
効率化による減便が進むローカル線
縮小を迫られた夜行列車
北海道新幹線の開業は何をもたらしたか
サイドビジネスの展開
関連会社の再編と「Kitaca」の可能性
終 章 JR北海道復活への提言
設立当初のフレームワークを見直すべし
インフラを行政が保有する「上下分離方式」にすべし
あとがきにかえて
写真提供:武田泉(北海道教育大学准教授、特記以外)
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