反知性主義と新宗教
日本会議、生長の家、創価学会、松下幸之助に内在する思想の実体。
- 定価
- 947円(本体861円+税10%)
- ISBN
- 9784781650814
- JANコード
- 1920230008616
- NDC分類
- 169
- 発売日
- 2017年2月8日
- 判型
- 新書判
- 製本
- 並
- ページ数
- 240ページ
- カテゴリー
-
人文・思想
詳細Detail
- 内容紹介
- 目次
アメリカのキリスト教が生み出した「反知性主義」は、ついにはトランプ大統領を誕生させ、その潮流の勢いを再確認させた。この言葉はポピュリズムに近い意味合いで使われることもあるが、本来は「知性」や「知的な権威」に異を唱え、誰しもが持っている「知能」を信頼する考え方をさす。日本でそれらを体現したのは、創価学会などの新宗教であり、政治や経営の中にも浸透していった。いま、日本社会に顕著な思想の実体を宗教学者・島田裕巳が徹底解剖する。
島田裕巳(しまだ・ひろみ)
1953年、東京生まれ。宗教学者、文筆家。1976年、東京大学文学部宗教学科卒業。1984年、同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。専攻は宗教学。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任。現在は東京女子大学非常勤講師。主な著書に『創価学会』(新潮新書)、『日本の10大新宗教』、『葬式は、要らない』、『もう親を捨てるしかない』(幻冬舎新書)、『戦後日本の宗教史』(筑摩選書)、『宗教消滅』(SB新書)、『人は死んだらどこに行くのか』(青春新書インテリジェンス)など多数。
島田裕巳(しまだ・ひろみ)
1953年、東京生まれ。宗教学者、文筆家。1976年、東京大学文学部宗教学科卒業。1984年、同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。専攻は宗教学。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任。現在は東京女子大学非常勤講師。主な著書に『創価学会』(新潮新書)、『日本の10大新宗教』、『葬式は、要らない』、『もう親を捨てるしかない』(幻冬舎新書)、『戦後日本の宗教史』(筑摩選書)、『宗教消滅』(SB新書)、『人は死んだらどこに行くのか』(青春新書インテリジェンス)など多数。
はじめに
第一章 反知性主義とは何か
多義的に変化する日本の反知性主義
「知性」より「知能」を讃えるアメリカ
「平等主義」としての反知性主義
日本では知識人にしか広まらなかったキリスト教
人口の四分の一が「福音主義」を信仰するアメリカ
大衆を熱狂させたリバイバリズム
「知性」より「霊性」に価値がある
福音派が持つ「原理主義」的側面
第二章 日本会議と反知性主義
右傾化をもたらすアメリカの反知性主義
なぜ宗教団体が「日本会議」のメンバーなのか
靖国神社国家護持で二分化する新宗教
生長の家とキリスト教福音派の共通点
キリスト教的概念を持っていた谷口雅春
「神の見えざる手」「小さな政府」を強調
天皇信仰と左翼批判
神道と反知性主義を結ぶ紐帯とは
第三章 創価学会の反知性主義
知識人の組織として出発した創価学会
反知性主義へと転換させた第二代会長、戸田城聖
集団就職、都市下層の庶民を引きつけた「現世利益」
田中智学の日蓮主義を受け継いだ「国立戒壇」
政界進出、日本共産党との対立
「知能」を重視した布教活動「折伏」
「成功体験」を与える「座談会」と「教学部任用試験」
「平等主義」を徹底した池田大作
創価学会が抱えるジレンマ
第四章 反知性主義としての新宗教
大衆の不満を「世直し」のエネルギーに変えた新宗教
無学の女性が開いた大本
天衣無縫なカリスマ、出口王仁三郎
「世直し運動」が招いた「第一次大本事件」
なぜ王仁三郎は「知識人」にはできないことを成し遂げたのか
貧困者に「人生の意味」を与えた天理教
「天理王命」という創造神
『天理教教典』に見る、知性と反知性の対立
戦時体制に従順でも二度、弾圧されたPL教団
日蓮宗だけが新宗教を生んだ理由
田中智学に受け継がれた「俗信徒」としての誇り
日蓮主義と皇国史観
「法華経講義」を否定した霊友会
「教義」より「庶民の信仰」を重んじた新宗教
第五章 反知性主義の日本的伝統
マッカーサーに「お告げ」を手わたした璽光尊
天照皇大神宮と岸信介
「言論出版妨害事件」でも退潮しなかった創価学会
終末論を強調する「新新宗教」の出現
反共主義の妙信講、ものみの塔、統一教会
「知性の限界」─GLA、神霊教、真光、幸福の科学
「在家仏教」からはじまった日本の反知性主義
「知性」ではなく「実践」によって成仏する浄土真宗
反知性主義を代表する「妙好人」
禅に見られる反知性主義
庶民への普及とともに高まる「知性」からの圧力
知識人の負い目
第六章 松下幸之助と田中角栄の反知性主義
「宗教消滅」でも衰えない反知性主義
ゴーストライターが明かした、本を読まないトランプ
松下幸之助の「反知性主義宣言」─〝現実という書物〟
池田大作と松下幸之助の邂逅
天理教に導かれた「水道哲学」
新宗教が形成した松下幸之助の思想
反知性主義としての「日本的経営」
「知性」を排除した「トヨタ生産方式」
農村社会に根差した「トヨタ教」
公明党と田中派を結びつけた社会階層
反知性主義の英雄、田中角栄
なぜ佐藤優氏は創価学会を論じるのか
池田不在を補う佐藤優氏の創価学会評
おわりに
第一章 反知性主義とは何か
多義的に変化する日本の反知性主義
「知性」より「知能」を讃えるアメリカ
「平等主義」としての反知性主義
日本では知識人にしか広まらなかったキリスト教
人口の四分の一が「福音主義」を信仰するアメリカ
大衆を熱狂させたリバイバリズム
「知性」より「霊性」に価値がある
福音派が持つ「原理主義」的側面
第二章 日本会議と反知性主義
右傾化をもたらすアメリカの反知性主義
なぜ宗教団体が「日本会議」のメンバーなのか
靖国神社国家護持で二分化する新宗教
生長の家とキリスト教福音派の共通点
キリスト教的概念を持っていた谷口雅春
「神の見えざる手」「小さな政府」を強調
天皇信仰と左翼批判
神道と反知性主義を結ぶ紐帯とは
第三章 創価学会の反知性主義
知識人の組織として出発した創価学会
反知性主義へと転換させた第二代会長、戸田城聖
集団就職、都市下層の庶民を引きつけた「現世利益」
田中智学の日蓮主義を受け継いだ「国立戒壇」
政界進出、日本共産党との対立
「知能」を重視した布教活動「折伏」
「成功体験」を与える「座談会」と「教学部任用試験」
「平等主義」を徹底した池田大作
創価学会が抱えるジレンマ
第四章 反知性主義としての新宗教
大衆の不満を「世直し」のエネルギーに変えた新宗教
無学の女性が開いた大本
天衣無縫なカリスマ、出口王仁三郎
「世直し運動」が招いた「第一次大本事件」
なぜ王仁三郎は「知識人」にはできないことを成し遂げたのか
貧困者に「人生の意味」を与えた天理教
「天理王命」という創造神
『天理教教典』に見る、知性と反知性の対立
戦時体制に従順でも二度、弾圧されたPL教団
日蓮宗だけが新宗教を生んだ理由
田中智学に受け継がれた「俗信徒」としての誇り
日蓮主義と皇国史観
「法華経講義」を否定した霊友会
「教義」より「庶民の信仰」を重んじた新宗教
第五章 反知性主義の日本的伝統
マッカーサーに「お告げ」を手わたした璽光尊
天照皇大神宮と岸信介
「言論出版妨害事件」でも退潮しなかった創価学会
終末論を強調する「新新宗教」の出現
反共主義の妙信講、ものみの塔、統一教会
「知性の限界」─GLA、神霊教、真光、幸福の科学
「在家仏教」からはじまった日本の反知性主義
「知性」ではなく「実践」によって成仏する浄土真宗
反知性主義を代表する「妙好人」
禅に見られる反知性主義
庶民への普及とともに高まる「知性」からの圧力
知識人の負い目
第六章 松下幸之助と田中角栄の反知性主義
「宗教消滅」でも衰えない反知性主義
ゴーストライターが明かした、本を読まないトランプ
松下幸之助の「反知性主義宣言」─〝現実という書物〟
池田大作と松下幸之助の邂逅
天理教に導かれた「水道哲学」
新宗教が形成した松下幸之助の思想
反知性主義としての「日本的経営」
「知性」を排除した「トヨタ生産方式」
農村社会に根差した「トヨタ教」
公明党と田中派を結びつけた社会階層
反知性主義の英雄、田中角栄
なぜ佐藤優氏は創価学会を論じるのか
池田不在を補う佐藤優氏の創価学会評
おわりに