埼玉化する日本

中沢明子

マイルドヤンキーだけで消費を語るなかれ

定価
947円(本体861円+税10%)
ISBN
9784781650425
JANコード
1920230008616
NDC分類
365
発売日
2014年12月8日
判型
新書判  
製本
ページ数
208ページ
カテゴリー
政治・社会
シリーズ
イースト新書

詳細Detail

  • 内容紹介
  • 目次
埼玉には「何もない」。たいした観光地もなく、のっぺらぼうな郊外と、ありがちな風景が広がるファスト風土……。しかし、埼玉には三大ショッピングモールがある。また、ショッピングモールにはないような東京の高感度ショップにも、簡単にアクセスできる位置にある。つまり、マス消費も高感度消費も手に入れられる理想の地方であり、普通の人が心地良く無理なく暮らせる装置と環境が揃っているのだ。ちょっといい、ちょうどいい、それが埼玉。埼玉から見える日本の消費の行方を、埼玉在住の著者が愛と毒舌たっぷりに考察した一冊。

中沢明子(なかざわ・あきこ)
1969年東京都生まれ。ライター、出版ディレクター。女性誌、ビジネス誌など幅広い媒体でインタビュー、ルポルタージュ、書評を執筆。延べ1800人以上にインタビューし、雑誌批評にも定評がある。得意分野は消費、流行、小売、音楽。著書に『それでも雑誌は不滅です!』(朝日新聞出版)、共著に『遠足型消費の時代』(朝日新聞出版)、プロデュース本に『ケチケチ贅沢主義』(mucco/プレジデント社)、『深読みフェルメール』(朽木ゆり子+福岡伸一/朝日新聞出版)などがある。
はじめに
高感度消費マトリックス/消費コードの目安

第一章 マイルドヤンキー論に疑問符
マイルドヤンキーだけが消費者ではない
コロンバンと空也の違い
消費の流行は、川上から川下に流れる

第二章 モール万能論が見落としているもの
モールは、本当に「消費の殿堂」として万能か?
モールの「中身」の話をしよう
イケてるモール、イケていないモール
おしゃれか否か、消費コードの差異
モールで「すべてが事足りる」わけがない

第三章 モールの優等生、埼玉のモール御三家
モールを核とした埼玉のコンパクトシティ
モールありきの新しいまちづくり
日本最大のショッピングモール
埼玉県観光課もモール観光を推奨

第四章 エキナカの進化は大宮から始まった
「駅での過ごし方」を変えたエキュート
エキュート第一号は埼玉の大宮
ルミネとルクア
ちょっといい、ちょうどいい

第五章 埼玉発、懐にやさしい三大企業
埼玉の大企業は懐にやさしかった
リアル店舗に徹するしまむら
ご馳走をリーズナブルに提供する安楽亭
手が届くツツミの宝飾品
地域を感じさせるチェーン店を作れ

第六章 埼玉の飛び地、池袋の躍進
ダサい池袋が住みたい街一位に
埼玉の飛び地、池袋のポテンシャル

第七章 小江戸、川越は成功したモール
埼玉の人気観光地、川越
「川越式」商店街の生き残り方
高知県のひろめ市場もテーマパーク

第八章 高感度ショップを四七都道府県に
奈良の高感度ショップ・くるみの木が担うもの
くるみの木のフォロワーたち
松本人気はこのお店から
アーツ&サイエンスという衝撃
クウネルみたいな地域文化誌
ライフスタイルショップの大衆化

第九章 埼玉化する日本
ファスト風土化を逃れられないなら
沖縄でさえ、埼玉化していく
オンリーワンより同じ花

おわりに

主要参考文献
主要参考雑誌・メディア・映画

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