「移民」で読み解く世界史

神野正史

繰り返される破壊と滅亡!
悶絶するヨーロッパ、ブレ続けるアメリカ、
日本がとるべき道を、いまこそ歴史に学べ!

定価
1,760円(本体1,600円+税10%)
ISBN
9784781617848
JANコード
1920020016005
NDC分類
209
発売日
2019年5月10日
判型
四六判  
製本
ページ数
272ページ
カテゴリー
歴史・地理

詳細Detail

  • 内容紹介
  • 目次
日本政府は少子化対策の一環として外国人労働力を受け入れる法案を可決した。しかし、歴史に目を向ければ国内問題を国外に頼って滅んだ国は枚挙に暇ない。そもそも民族の移動こそが歴史を大きく動かし、世界地図を塗り替えてきた。本書では「植民」「強制移住」「難民」を含む総体的な「移民」を切り口として歴史的教訓を紐解き、日本が歩むべき道を探る。 有史以来の事象から導き出された 17の「移民の法則」 移民の法則② 移民はかならず移住先の文化・社会・国家・民族を破壊する。 移民の法則④ 破壊が次なる民族移動を誘発させ、それがさらなる民族移動を引き起こす。 移民の法則⑨ 社会の中に「偏在」が生まれれば、これを「均質」に向かわせる力が働く。 移民の法則⑪ 移民(植民)が発生するときは、下層民・無法者から切り拓かれることが多い。 移民の法則⑮ 移民受け容れ政策は〝禁断の果実〟。 (本文より法則の一部を抜粋)

神野正史(じんのまさふみ)
河合塾世界史講師。世界史ドットコム主宰。学びエイド鉄人講師。 ネットゼミ世界史編集顧問。ブロードバンド予備校世界史講師。歴史エバンジェリスト。 1965年名古屋生まれ。既存のどんな学習法よりも「楽しくて」「最小の努力で」「絶大な効果」のある学習法を 永年にわたって研究し、開発。自身が運営する世界史専門のネット予備校「世界史ドットコム」は、 絶大な支持を得る超人気講座に。 また、「歴史エバンジェリスト」としての顔も持ち、TV出演、講演、雑誌取材、ゲーム監修なども多彩にこなす。 著書に『世界史劇場』シリーズ(ベレ出版)、『最強の教訓! 世界史』(PHP研究所)、 『粛清で読み解く世界史』(辰巳出版)、『覇権で読み解けば世界史がわかる』(祥伝社)、 『「世界史」で読み解けば日本史がわかる』(祥伝社)などがある。
まえがき

■第1章 古代の幕開け
原始から古代の幕開けは「移民」により始まった!

●有史は〝移民〟とともに始まった!移民は社会を混乱させるが、歴史を次へと進める。
最古の文明を築いたシュメール人の末裔
「古代」を生んだ民族移動
古代「第1段階」を崩壊させた民族移動
アーリア系侵寇によるオリエントの混乱

●移民が一神教を生み、ユダヤ教を一神教化し、それが現在のキリスト教・イスラームを生んだ。
オリエントの混乱の余波はエジプトへ
人類初の一神教の成立
アトン教の遺伝子を受け継ぐ者たち
ユダヤ教の確立

●温暖化が文明・王朝を安定させ、寒冷化が文明・王朝を崩壊させる。
紀元前1200年の破局(東地中海)
紀元前1200年の破局(オリエント内陸)
紀元前1200年の破局(インド・中国)
次の〝春〟は短くて…

■第2章 騎馬民族の猛威
騎馬民族が現れたことで世界史は新しい段階に入った!

●紀元前8世紀中ごろに襲いかかった寒冷化がアッシリア帝国を亡ぼし、西周を東遷させた。
移民と混血によって生まれた漢民族
オリエントの歴史段階と一致する殷周時代
騎馬民族の誕生
アッシリア帝国を〝世界帝国〟たらしめたもの
ギリシア人による「大植民活動」
周の東遷は褒姒の所為ではなかった!?

●気候の温暖化が、秦・マウリア朝・アレクサンドロス帝国・ローマ共和国などの空前の広域支配を生む。
空前の大統一がぞくぞくと誕生!
移民とともにオリエント文明、消滅
中央アジアに現れたギリシア人移民の国「バクトリア」

●気候の温暖化が本格化したことが、ユーラシアの東で武帝を、西でカエサルを生んだ。
匈奴族の誕生
漢の敗戦が民族大移動を誘発
民族移動の余波はインド、そして世界へ


■第3章 古代から中世へ
古代の幕引きと中世の幕開けも「移民」とともに始まった!

●欧州「古代」は東アジアからの〝災い〟で跪き、西アジアからの〝災い〟で倒れ、「中世」へと向かう。
匈奴、歴史の渦に消えゆく
蒙古高原を追われた匈奴はヨーロッパへ
寒冷期と温暖期に翻弄される大国
ヨーロッパ、古代の終焉
ヨーロッパ、中世の開幕
因果は廻る

●フン族の第一撃、イスラームの第二撃を経て、ノルマンの第三撃で欧州は中世へ移行する。
現代の欧州主要諸国を生んだ民族移動
「中世」を決定づけた民族移動〝第三撃〟

●8世紀の〝寒の戻り〟を過ぎ、地球はふたたび温暖化、世紀にはヨーロッパが拡大しはじめた。
ヨーロッパ拡大の時代
スラヴ世界への拡張、「東方植民」
イスラームへの拡張、「再征服運動」と「十字軍」
史上空前のモンゴル帝国の大統一が
ユーラシアを一体化させ、〝近世〟を牽引した!
中世の温暖化が蒙古帝国を生んだ



■第4章 近世の夜明け
14世紀以降、中世的な要素が一斉に消えていったその背景には…

●14世紀に襲いかかった最後の寒冷期が「中世」にトドメを刺し、「近世」を生んだ!
〝戦闘民族〟の本性
それぞれの民族の寒冷期への対処
追い詰められた欧州人
三大発明の伝播
〝翼〟を手に入れた欧州人─

●飢えた戦闘民族が〝翼〟と〝武器〟を手に入れ、大病に冒され、弱った巨人に襲いかかる!
弱みに付け込んだ侵掠――アフリカ航路
弱みに付け込んだ侵掠――西廻り航路

●破落戸どもが平和を愛する善良な人々を殺戮して造りあげた国は〝美談〟として語り継がれる。
〝災い〟は海の向こうからやってきた
〝失われた植民地〟ロアノーク島
〝美談〟で隠された蛮行(ヴァージニア編)
〝お人好し民族〟が生まれる理由
〝命を救ってくれた恩〟は一度の祭でチャラ(マサチュセッツ編)
無実の罪を被せて皆殺し(コネチカット編)
24$で〝買った〟島(ニューヨーク編)
〝誠意〟ある詐欺で騙し取る(ペンシルヴァニア編)

●最後まで平和を愛した民は、自由と正義と友愛を標榜する民に亡ぼされた!
美談で埋め尽くされた建国史
三つ子の魂百まで
それでも和平を求める者たち
ついに立ち上がった者たち
立ち上がらなかった者の末路
ときに武器を持たねばならないこともある─

●三大陸を支配したオスマン帝国は混血が進み、東アジアの覇者・明朝では出国ラッシュが始まる。
オスマン帝国による強制移住
漢民族の膨張と消滅
華僑の発生
国を失った民族がたどる道

■第5章 そして、現代へ…
現在、リアルタイムで移民問題で悶絶する国々。

●移民によって生まれた英・仏・独は、移民によって悶絶し、亡びに向かう。
イギリスだけがサッカー世界大会に「4代表」を出す理由
移民と混血の国・フランス
フランスに黒人が多い理由
〝禁断の果実〟を齧ったフランス
フランスにテロが多い理由
ドイツの形成
世紀に再現された「涙の旅路」
戦争責任をヒトラーひとりに押しつけたドイツ国民
極端から極端へ
メルケル首相の無知無能
ドイツが移民問題に悶絶する理由
移民政策の失敗でもはや〝詰み〟の状態にあるドイツ

●狙いを定めた地の民族を皆殺しにしてから植民するのが〝恐ロシア〟の常套手段!
東欧世界に拡がっていったスラヴ系
ロシアの〝幼児体験〟
ロシアが世界最大の領土を持つことになった理由
悲劇のウクライナ
一歩間違えれば日本も…
ウクライナ危機が起こった理由
〝対岸の火事〟ではないウクライナ

●自国の発展のためと実施した強引な移民政策が今日に至るまで彼ら自身を苦しめることになる。
大国に翻弄された南スラヴ人
セルビアの植民政策が生んだ悲劇

●2000年の時を経て舞い戻ってきた〝先住民〟が現住の民族を駆逐して造った国「イスラエル」
なぜユダヤ人だけが生き残ったのか
〝流浪の民〟ユダヤ人の足跡
ユダヤ人が〝嫌われ者〟となっていった理由
ドレフュス大尉疑獄事件
パレスチナ問題が起こった理由
時代を見誤ったイギリス
〝禁断の果実〟を齧ったイギリスの末路
イギリスが撒き散らした災い
パレスチナ人の致命的失敗
「亡国の民」共通の〝致命的失敗〟

●自らの〝移民〟によって先住民を駆逐した合衆国は、自らが〝移民〟されたとき、これを排除しはじめた。
移民を受け容れたアメリカ
アメリカ、移民政策の転換
理想と現実の間でブレつづけるアメリカ移民政策


■第6章 日本の置かれた現状
我々は歴史から何を学び、どう行動すればよいか。

●国土は〝一歩〟たりとも踏み込ませてはならない。一歩許せば二歩三歩と踏み込まれ、亡国へ直結する。
兵法三十六計「仮道伐虢」
「仮道伐虢」を忘れた中国の末路
〝反面教師・中国〟に学んだ日本
たった200人でイギリスから独立を護った島民

●移民の受け容れを謳う者は、〝祖国と民族の破滅を望む者〟と知るべし。
国を破壊し民族を亡ぼす「移民受け容れ法」
自ら破滅を招き寄せた国(ポーランド)
自ら破滅を招き寄せた国(中国)
自然の摂理を理解できない〝識者〟たち
国を治むるは小鮮を烹るが若し
歴史の本質を理解できていない〝識者〟たち─
世に蔓延る〝識者〟たちの心得違い

●新しい時代の到来を感じ取れない者は、未来の日本を語る資格はない!
「安定期」と「混迷期」
今の日本は明治維新に匹敵する「転換期」
人口増加を前提とした社会は〝時代遅れ〟
「人口減少を前提とした社会」とは?
「AI」と「ロボット工学」が労働力不足を解決する

●日本の未来に希望はあるか。
すべてのベクトルが〝亡び〟に向かっている現状日本
危機に強い日本
奇蹟、幸運、天佑、僥倖はつづく
最後に

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