西部邁 日本人への警告 わが国にとって「保守vs.革新」とは何だったのか

西村幸祐 著 / 富岡幸一郎 著 / 三浦小太郎

巨星墜つ……気鋭の論客が読み解く、稀代の大思想家が身を賭して遺したメッセージ。

定価
1,099円(本体999円+税10%)
ISBN
9784781616766
JANコード
1920031009997
NDC分類
914
発売日
2018年6月15日
判型
B6判  
製本
ページ数
208ページ
カテゴリー
政治・社会

詳細Detail

  • 内容紹介
  • 目次
2008年4月28日に開催された「主権回復五十六周年記念国民集会」で、「こんなザマで主権回復したなどおこがましい」と壇上で絶叫した西部邁氏。会場の空気に水を差すスピーチではあったが、多くの観衆は喝采した。その背景には、対米追従をよしとする現代の保守論壇に対する痛烈な批判と、日本の自立への強い思いが込められていた。その知の巨人・西部邁氏を偲び、気鋭の論客3人が遺された膨大なテキストを通して現代を読み解く。

西村幸祐(にしむら・こうゆう)
1952年東京生まれ。批評家、作家、ジャーナリスト。一般社団法人アジア自由民主連帯協議会副会長。慶應義塾大学文学部哲学科中退。在学中に第6次「三田文学」編集担当。「ニュー・ミュージックマガジン」(現「ミュージックマガジン」)、レコーディングディレクター、コピーライターを経て、1980年代後半から、主にスポーツをテーマに作家、ジャーナリストとしての活動を開始。2002年の日韓W杯を機に、歴史認識問題や拉致問題、メディア論に関する取材、評論を展開する。「撃論ムック」「ジャパニズム」をそれぞれ創刊、編集長を歴任。著書に『「反日」の構造』『メディア症候群』『幻の黄金時代』『NHK亡国論』『21世紀の「脱亜論」』『日本人に「憲法」は要らない』、共著に『中国を捨てよ』『「反日」の敗北』(ともに石平との共著、イースト・プレス)、『日本の自立』『トランプ革命で甦る日本』(ともにケント・ギルバートとの共著、イースト・プレス)、監修に『朝日新聞「大崩壊」の真相』(イースト・プレス)など多数。近刊の『報道しない自由』(イースト・プレス)は発売2週間で重版が決定するなど、大きな反響を集めた。

富岡幸一郎(とみおか・こういちろう)
1957年生まれ。文芸評論家。関東学院大学文学部比較文化学科教授、鎌倉文学館館長。中央大学文学部仏文科卒業。第22回群像新人文学賞評論部門優秀作受賞。著書に『内村鑑三 偉大なる罪人の生涯』(中公文庫)、『使徒的人間 カール・バルト』(講談社文芸文庫)、『打ちのめされるようなすごい小説』(飛鳥新社)、『非戦論』(NTT出版)、『千年残る日本語へ』(NTT出版)、『最後の思想 三島由紀夫と吉本隆明』(アーツアンドクラフツ)、『川端康成 魔界の文学』(岩波書店)など。西部邁が創刊した「表現者」の元編集長。

三浦小太郎(みうら・こたろう)
1960年東京生まれ。評論家。獨協学園高校卒。1990年代から北朝鮮の人権問題や脱北者の支援活動などに参加。「諸君!」「月刊日本」「正論」「別冊宝島」などに執筆。自身のブログ「Blue Moon」で近代史、映画、音楽などの評論を展開する。著書に『嘘の人権 偽の平和』『収容所での覚醒 民主主義の堕落』(高木書房)、『言視舎 評伝選 渡辺京二』(言視舎)がある。
はじめに 日本の〈常識〉をいかに取り戻すか 西村幸祐

第一章 西部邁と〈知性〉の終焉 西村幸祐
 〈知性〉と言わずして、なんと言えばいいのか
 〈常識〉が完全に崩壊した日本
 日本人に特有の〈二面構造〉とは何か
 西部思想と『柔らかい個人主義の誕生』
 マーケティング社会とジャーナリズムの崩壊 他

第二章 西部邁は何と闘ってきたのか 富岡幸一郎
 「若い人たちを中心にやってくれ」
 六〇年安保と「平和」という魔語
 二度の闘争を経て培われた社会へのまなざし
 新古典派経済学の限界と「社会経済学」
 相関的学問の形成を阻んだ「日共の壁」 他

第三章 「昭和」時代の西部邁 三浦小太郎
 大衆社会やマスコミを斬る「錆びない刃」
 思索の原点としての「硫黄島の砂」
 六〇年安保闘争から戦後民主主義との闘いへ
 経済学徒としての再出発から大衆社会批判へ
 『大衆への反逆』と田中角栄 他

第四章 西部邁とは何者であったか 
     西村幸祐×富岡幸一郎×三浦小太郎 鼎談
 西部邁と私たち
 西部邁と「死生観」
 西部邁と「安保闘争」
 西部邁と「論壇」
 西部邁と「知識人のあり方」 他

特別付録 「主権」とは何か 西部邁 講演録
 バーチャル・リアリティとしての「主権回復」
 日本国憲法の偽善と無国籍性
 アメリカの「保護領」にすぎない日本の現状
 「国家主権」の本質とは何か
 アメリカによる日本への「ジェノサイド」 他

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