「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

熊代亨

立派な「大人」になれた実感、ありますか?
リアリティと現実のギャップに戸惑う人びとへ、新たな指針を示す人生論。

定価
1,650円(本体1,500円+税10%)
ISBN
9784781616384
NDC分類
159
発売日
2018年2月9日
製本
ページ数
240ページ
カテゴリー
人文・思想

詳細Detail

  • 内容紹介
  • 目次
世間で「大人」と言われる年齢になったみなさん、立派な「大人」になれた実感はありますか? 人生の選択肢が多様に広がったからこそ、生き方が定まりにくいこの現代。それでも月日は流れ、いやおうなく私たちは年老いていきます。「成熟のロールモデル」が見えなくなった社会において、「若者」の立場を卒業し、「大人」を実践するとはどういうことか? 異なる世代との付き合い方、恋愛・結婚観、趣味とともに生きていくことについて。リアリティと現実のギャップに戸惑う人びとへ、新たな指針を示す人生論。

熊代亨(くましろ・とおる)
1975年生まれ。信州大学医学部卒業。精神科医。専攻は思春期/青年期の精神医学、特に適応障害領域。ブログ『シロクマの屑籠』にて現代人の社会適応やサブカルチャーについて発信し続けている。著書に『ロスジェネ心理学』『融解するオタク・サブカル・ヤンキー』(花伝社)、『「若作りうつ」社会』(講談社現代新書)、『認められたい』(ヴィレッジブックス)がある。
【第1章】「若さ志向」から「成熟志向」へ

・40歳を過ぎた自分のことを想像できますか
・「若者」であり続けることの限界
・ゲームが教えてくれた転機
・変わるべきときに変わらなければ危ない
・「大人」が「若者」と同じように振る舞うと破滅が待っている
・かくあるべき「大人」の定義とは
・心の成熟には順序がある
・「大人」になることは「喜びの目線」が変わること
・人生の「損得」や「コスパ」の計算式

【第2章】「大人」になった実感を持ちづらい時代背景

・「大人」に抵抗感があるのが当たり前の時代
・昭和の人々は「若者」の魅力に夢中になり続けてきた
・社会から「大人強制装置」が失われた
・「なんにでもなれる」感覚が「大人」を遠ざける
・「大人」と「子ども」、年長者と年少者の接点が少ない
・世代間でいがみ合う社会はみんなが望んでできたもの
・「大人」を引き受ける立場が争奪戦になっている
・それはあなたの選択なのか、社会構造による必然なのか

【第3章】「大人のアイデンティティ」への軟着陸
 
・「大人になる=アイデンティティが確立する」という考え方
・何者かになった気にならないと地に足がつかない
・キャリアが定まることでアイデンティティも定まる?
・趣味や課外活動もアイデンティティの構成要素になる
・アイデンティティがフラフラしている男女の仲は長続きしない
・揺るがない自分が生まれると足下が固まるがおじさんおばさんにもなる
・「CLANNADは人生」
・田舎のマイルドヤンキーのほうが「大人」を始めやすい理由
・空に浮かんだ夢から、地に足のついた夢へ

【第4章】上司や先輩を見つめるポイント

・年上の人たちは未来情報の宝庫
・「若いうちに勉強しろ」「遊んでおけ」と言う年長者は結局何が言いたいのか?
・「こんな風に歳を取りたい」と思える人は大事なロールモデル
・反面教師の利用方法
・アイデンティティが確立した中年のモノの見え方
・40歳、夢から醒めて、逃げ場なし
・長く人生を抱えてきた人は、それだけで結構すごい

【第5章】後輩や部下に接するとき、どう振る舞うか

・あなたが「大人」になったとき、「若者」をどう見るか
・情報がネットで手に入る時代に年上であるということ
・接点を持ってみなければわからない
・若者はまだ未来が定まっていないから侮れない
・後進を成長させるほうが得るものが大きくなる瞬間
・「生き続ける理由」を与えてくれるもの
・「世話をすること」が始まったあとの世界の見え方
・「俺の黒歴史に免じて許す」

【第6章】「若者」の恋愛、「大人」の結婚

・「大人」の恋愛、「大人」の結婚は本当にある?
・金しか見ていない女性、胸しか見ていない男性はなんにも見ていない
・目を向けるべきは「ソーシャル・スキル」
・早く気付いた人から素晴らしい「戦友」を得る
・「結婚=恋愛」は本当に幸福な価値観なのか
・「結婚は人生の墓場」は愚か者の結婚観
・だからといって、若い頃の恋愛も無駄にはならない

【第7章】趣味とともに生きていくということ

・「終わらない青春」なんてなかった
・立派に大人をやっているサブカルチャーの先輩方はいる
・オタクやサブカルを続けきれなくなったとき
・いざとなったら、やめてしまったっていい
・クリエイターに回った人たちは本当に大変
・新しい時代に合う形で誰かが引き継いでくれる
・趣味は自分の世代だけのものではない

【第8章】「歳を取るほど虚無」を克服するには

・変更不能の人生を生きるということ
・良いことも悪いこともすべて自分の歴史になる
・あなたの歴史はあなたと繋がっているみんなの歴史でもある
・人生のバランス配分は人それぞれだが
・異なる世代との接点が他人への敬意を磨く
・生きて歴史を重ねることは難しくも素晴らしい

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