貧困とセックス

中村淳彦 著 / 鈴木大介

『ルポ中年童貞』『最貧困女子』両著者が徹底討論!
男女2400人への取材でわかった「最底辺」のリアル

定価
947円(本体861円+税10%)
ISBN
9784781650722
JANコード
1920230008616
NDC分類
368
発売日
2016年8月8日
判型
新書判  
製本
ページ数
240ページ
カテゴリー
政治・社会
シリーズ
イースト新書

詳細Detail

  • 内容紹介
  • 目次
AV女優や風俗嬢など性産業に携わる人々を取材し、介護事業の経営者として辛酸を嘗めた経験も持つ中村淳彦と、セックスワークのなかでも最底辺の売春ワークに陥っている女性を取材し、自身も脳梗塞に倒れて貧困当事者の苦しさを痛感した鈴木大介。いま最も「地獄」を見てきた二人が目にした、貧困に苦しむ人々の絶望的な現状とは。性産業の問題から、教育・福祉・介護の悲惨な状況、そして日本社会の構造的問題にいたるまで、縦横無尽に語り尽くす。
中村淳彦(なかむら・あつひこ)
1972年東京都生まれ。大学卒業後、ノンフィクションライターになる。企画AV女優たちの衝撃的な生と性を記録した「名前のない女たち」シリーズは代表作となり、映画化もされる。一時期、高齢者デイサービスセンターの運営に携わるも手を引き、現在は、ノンフィクション、ルポルタージュを中心に執筆。著書に『職業としてのAV女優』『ルポ中年童貞』(幻冬舎新書)、『崩壊する介護現場』(ベスト新書)、『日本人が知らない韓国売春婦の真実』(宝島社)、『ワタミ・渡邉美樹 日本を崩壊させるブラックモンスター』(コア新書)、『日本の風俗嬢』(新潮新書)など多数。

鈴木大介(すずき・だいすけ)
1973年千葉県生まれ。「犯罪する側の論理」「犯罪現場の貧困問題」をテーマに、裏社会・触法少年少女らの生きる現場を中心とした取材活動を続けるルポライター。著書に『家のない少女たち』『援デリの少女たち』『振り込め犯罪結社』(いずれも宝島社)、『出会い系のシングルマザーたち』(朝日新聞出版)、『家のない少年たち』(太田出版)、『最貧困女子』(幻冬舎新書)、『脳が壊れた』(新潮新書)などがある。現在「週刊モーニング」(講談社)で連載中の『ギャングース』(原案『家のない少年たち』)でストーリー共同制作を担当。
はじめに 鈴木大介

第一章 貧困とA‌V業界
サブカルライターが社会問題を語る時代
僕たちがセックス業界を取材し始めた理由
援助交際は「カルチャー」じゃなかった
ありのままを書くべきか、バイアスをかけて書くべきか
彼ら、彼女らを否定し切ることなんてできない

第二章 貧困と性風俗
セックスワークと隣り合わせの人々
セーフティーネットとしてのセックスワーク
売春からもこぼれ落ちる女性たち
「所得移転」としての売春
こじらせてしまった支援者たち
支援者が彼女たちを理解できない理由
生活の糧をつぶすだけで支援はしない国

第三章 貧困と格差社会
女子大生風俗嬢と奨学金問題への誤解
優等生ほど自分のカラダを高く売る
「明るい未来像」にお金を払う子どもたち
「意識高い系」とブラック企業の罠
シングルマザーから見えてくる深い闇
トラウマ体験が脳を壊し、貧困を呼ぶ
地方にも広がる「キラキラ詐欺」
全然マイルドじゃない地方の貧困

第四章 貧困と子どもたち
家出少女だらけの夏休み売春合宿
一〇年後の日本を体現する沖縄の貧困
貧しくてもQ‌O‌Lは低くない沖縄の少年少女
「援デリ」に流される家出少女
なぜ、家出少女の保護は進まないのか
子どもたちを苦しみから救うには

第五章 貧困と中年童貞
中年童貞が職場をめちゃくちゃにする
「最貧困中年童貞」という名のモンスター
介護業界は中年童貞ではなく風俗嬢を雇用すべきだ
精神疾患としての中年童貞

第六章 貧困と日本の未来
貧困がなくならない構造的原因
国の政策に翻弄されてきた貧困階層
貧困階級がテロリストになる日
大手マスコミには貧困は理解できない
「貧乏人=友だちがいない」論を考える
国家に利用される中年童貞、外国に売られる売春婦
生まれたこと自体が不幸になる時代
若者が富裕層から搾取する知恵が必要

おわりに 中村淳彦
企画・編集協力:株式会社 清談社

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