沖縄 本土メディアが伝えない真実

古木杜恵

軍事記者は見た!
「普天間移設」の深層。
このままでは沖縄に血が流れる!

定価
998円(本体907円+税10%)
ISBN
9784781650555
JANコード
1920230009071
NDC分類
70
発売日
2015年8月7日
判型
新書判  
製本
ページ数
304ページ
カテゴリー
ノンフィクション
シリーズ
イースト新書

詳細Detail

  • 内容紹介
  • 目次
日米両政府の普天間基地返還合意からすでに19年。この間、基地担当あるいは基地問題担当と呼ばれる在沖メディアの軍事記者は、この問題をどのように報じてきたのか。また、政府が言う「抑止力の維持」や「辺野古移設が唯一の解決策」は本当なのか。「沖縄の経済は基地がなければ成り立たない」「見返りに財政的な支援を受けている」といった風説は本当なのか。かつての保守勢力や経済界が一体となった「オール沖縄」の実態など、沖縄取材歴20年のルポライターが本土メディアが伝えない沖縄の現況をリポートする。

古木杜恵(ふるき・もりえ)
1948年長崎県生まれ。ノンフィクションライター。月刊誌『Weeks』(NHK出版)スタッフライター、隔週刊誌『ダカーポ』(マガジンハウス)特約記者を経て、現在は月刊誌『世界』(岩波書店)などにルポルタージュを寄稿。編著にNHK沖縄放送局編『“隣人”の素顔 フェンスの内側から見た米軍基地』、吉本隆明の語り下ろし『老いの流儀』(いずれもNHK出版)などがある。
はじめに

特別対談 佐野眞一×古木杜恵
「ノンフィクション作家が見た“本土v‌s.沖縄”のルーツ」
これまでとはまったく違う「翁長知事誕生」の流れ
大田昌秀に聞いた基地移設問題の舞台裏
沖縄が予想だにしなかった「最低でも県外」
沖縄を米国に託した昭和天皇の贖罪意識
翁長知事と「オール沖縄」のルーツ
「不都合な真実」への疑問
「琉球国」が日中の架け橋になる日

第一章 軍事記者が見た「本土v‌s.沖縄」二〇年史
にわかに忙しくなった軍事記者の動き
「辺野古移設」の原点
海上ヘリ基地をめぐる二人の決断
「基地は政治問題ではなく生活問題」
「屈辱の日」にはためく二八本の旗
「がってぃんならん」
最初は小さなニュースだった少女暴行事件
進まない日米地位協定の見直し
地域を引き裂く「アメとムチ」政策
なぜ、政府は先送りと隠蔽を続けたのか
政権が代わっても繰り返される光景
民主党政権、裏切りの二年一〇カ月
オスプレイ配備を狙う米軍の環境レビュー
防衛局職員「オスプレイ配備は聞いていない」
真夜中にこっそり運び込まれた環境評価書

第二章 「辺野古受け入れ」の不都合な真実
「犯す前に、これから犯しますよと言いますか」
繰り返される「ヘイトスピーチ」
暴言なら「オフレコ破り」をしてもいいのか
米国がしかける軍事記者への情報操作
軍事記者の叫び「あなたたちは“よき隣人”ではない」
地元議員に「公約破り」を迫る自民党
党本部の恫喝「普天間は固定化する」
辺野古移設は「沖縄近現代史に刻まれる汚点」
普天間基地の騒音被害の実際
「基地問題の本質は現場にある」
「承認ありき」だった仲井真知事の猿芝居
粉飾にすぎない経済振興策
口約束にすぎない負担軽減策
国策に振り回される名護市長選
沖縄の未来を沖縄が決める日

第三章 「普天間移設」の誤謬と欺瞞
訪米要請行動に込められた意図
沖縄の「自己決定権」を認めよ
「うちなーんちゅ うしぇーらんけー」
沖縄を踏みにじった「五点セット」
ケビン・メアの暴言「沖縄はゆすりの名人」
県外移設を阻む「安保マフィア」の存在
「夜盗騒ぎ」につながる防衛官僚の暴言
米軍が狙う自衛隊との一体化
私が見た日中中間線の緊迫
日米安保の狭間で揺れる下地島空港
地元町長と語った「屋良覚書」の存在
陸上自衛隊が先島に「進駐」する日
沖縄は日本の防衛問題の縮図である
在沖自衛隊は「軍隊」になるのか
沖縄県民は「ちむぐりさん」
地元メディアが感じた「オール沖縄」のうねり
「米国は移設反対」のウソ
「県外移設」妨害工作の始まり
県外移設を断念させた「距離」の虚構
「抑止力は方便」発言の真実
「フテンマ・イズ・デッド」に動揺する政府

第四章 「沖縄神話」の崩壊、「オール沖縄」の深層
日本政府が慰留していた在沖海兵隊の撤退
「基地は経済の阻害要因」のウソ
「沖縄二紙の報道は偏向している」のウソ
「戦前の普天間は田舎」「地主は年収数千万円」のウソ
「米兵の犯罪率は県民以下」のウソ
「辺野古移設で基地負担軽減」のウソ
沖縄をさらに踏みにじる「新・五点セット」
翁長知事v‌s.菅官房長官、安倍総理の直接対決
世界は「オール沖縄」をどう見るのか

おわりに
参考文献
プロデュース:元木昌彦
特別対談構成:西垣成雄
特別対談撮影:小久保松直(イースト・プレス)
著者撮影:福田文昭

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