田中角栄 権力の源泉

大下英治

戦後最大の宰相・田中角栄のDNAは生きている!
自民党総裁選時、角栄に60億円貢いだ男。政商・小佐野賢治との昭和―その栄光と挫折

定価
998円(本体907円+税10%)
ISBN
9784781650418
JANコード
1920230009071
NDC分類
312
発売日
2014年12月7日
判型
新書判  
製本
ページ数
448ページ
カテゴリー
政治・社会

詳細Detail

  • 内容紹介
  • 目次
戦後最大の宰相 田中角栄のDNAは生きている! 昨今の「政治とカネ」の問題など些末すぎる! 高等小学校卒の角栄がこの国の最高権力者に昇り詰めるまでには、類い稀なその人心掌握術とともに生涯の刎頸の友といわれた政商・小佐野賢治との二人三脚が欠かせなかった。角福戦争の火花を散らした昭和四七年真夏の自民党総裁選。田中角栄に60億円を貢いだ男が小佐野であった。田中角栄と小佐野賢治、政財界を震撼させたふたりの関係性は、敗戦から高度成長期に至る戦後日本の姿であり、巨大な権力と金に生きる一卵性双生児であった。権力の絶頂からロッキード事件に連なる昭和の巨魁・田中角栄と政商・小佐野賢治壮絶な権力闘争史!

大下英治(おおした・えいじ)
1944 年広島県に生まれる。1 歳のとき被爆。父を失う。苦学の末、広島大学文学部仏文学科を卒業。大宅壮一マスコミ塾第七期生。1970年、『週刊文春』特派記者いわゆる“トップ屋”として活躍。圧倒的な取材力から数々のスクープをものにする。月刊『文藝春秋』に発表した『三越の女帝・竹久みちの野望と金脈』が大反響を呼び、三越・岡田社長退陣のきっかけとなった。1983年、『週刊文春』を離れ、作家として独立。政治、経済、芸能、闇社会まで幅広いジャンルにわたり旺盛な執筆活動を続ける。『小説電通』でデビュ後、『実録 田中角栄と鉄の軍団』、『美空ひばり 時代を歌う 』、『小沢一郎の最終戦争』、『昭和闇の支配者』〈全六巻〉、自叙伝『トップ屋魂』、『巨頭 孫正義』、『田中角栄秘録』(イースト新書)、『児玉誉士夫闇秘録』(イースト新書)、『悲しき歌姫 藤圭子と宇多田ヒカルの宿痾』、『日本共産党の深層』(イースト新書)、『公明党の深層』、『内閣官房長官秘録』等、著書は400冊以上に及ぶ。
はじめに

第一章 田中角栄の青春、小佐野賢治と昭和
人間は、働かなくちゃいかん
角栄の初恋と魂の上京
人を動かすには、いちばんに自分が働くことだ
どん底からの政商の萌芽
吝嗇家・小佐野の野心
「トシエ シス」
坂本はなとの結婚と三つの約束
一五〇億円の陸軍工事受注と敗戦
初出馬、若き血の叫び
三〇代で大臣、四〇代で幹事長、五〇代で総理大臣になってみせる!
お国のために死ぬなんて、馬鹿げたことじゃ
華族の娘を紹介してください
濡れ手で粟
東急のドン・五島慶太から強羅ホテルを買収
資本主義の“番犬”
吹雪の中の演説─「川上戦略」の原点
獄中での出会い
旧伯爵家の令嬢との結婚
長岡鉄道再建に乗り出す角栄、米軍キャンプバス事業で大儲けする小佐野
奇跡の長岡鉄道電化に成功

第二章 権力の階段─角栄と小佐野の天下取り
越山会の原型─下からの盛り上がり
いざというとき、敵にまわらないための“指導料”
中越自動車乗っ取りに暗躍
日本医師会“ケンカ太郎”との丁々発止
大蔵官僚操作術
角栄の気くばり
若き蔵相・田中角栄が放言した予算規模
「小佐野は大物すぎる」─幻に終わった小佐野の政界進出
経営者・小佐野の凄味─角栄から託された日本電建をみごと再建
幹事長就任と虎ノ門事件
小佐野賢治v‌s横井英樹
渡し方を間違うと死に金になる
木村武雄の爆弾発言
西武鉄道株買い占めに暗躍する面々
角栄の情、小佐野の非情─守護神・正木亮の死
大蔵省から二、三〇〇〇億円引き出し、福田赳夫を一歩リード
列島改造への意欲
サンクレメンテの決戦─次期総理への火花

第三章 今太閤・田中角栄、政商・小佐野賢治の絶頂
田中派旗揚げ、福田派のスパイ
「オヤジ、小佐野さんと佐藤昭さんを切ってください」
小佐野が総裁選で角栄に貢いだ六〇億
庶民宰相誕生と小佐野の感慨
ドスを持った男がうろついている
毛沢東曰く「もう、喧嘩は済みましたか」
日本航空筆頭株主となる小佐野
下の者を思え─角栄と小佐野の共通項
田中金脈問題発覚と淋しき越山会の女王
よく集め、よく散ずるを英雄という
謀将・田村元、田中派入りの不協和音

第四章 ロッキード事件の深層
ロッキード事件発覚
〝小佐野─児玉─ロッキード社〟の点と線
記憶にございません
三木の怨念─田中前首相逮捕
「ロッキード事件は、メジャーと東大にやられた」
請託は本当にあったのか
二度と検事調書に判は押さない
職務権限で争ったほうが勝てますよ
小佐野起訴
三八度線でやめとけばよかった
知られざる小佐野の夫婦関係
信じられるのは、金だけだ

第五章 闇将軍・田中角栄の執念と最期
キングメーカー角栄
後藤田正晴指揮による大ローラー作戦
誰も「帝王」とは呼ばない
大平正芳と角栄
岸信介の説得工作
四〇日抗争と盟友・大平の急死
「中曽根の目はないよ」の言質
鈴木善幸擁立と竹下登外し
ロッキード公判と小沢一郎
若手の不満を牽制
竹下はかつがない
いま一度、総理をやってみせるぞ
かならず、きみに恩返しする
幻に終わった、二階堂進擁立
「田中曽根内閣」発足
ニクソンを辞任に追い込んだ凄腕アメリカ人弁護士を拒否した角栄の美学
一審判決の波紋
二二万票の重み
賽は投げられた
血盟の契り─創政会旗上げ
竹下をかならず潰してやる
猛烈な切り崩し─小沢が泣いた夜
小佐野の死を知らずに息を引きとった角栄の最期

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