インターネットで死ぬということ

北条かや

すべての世界で、誰かに愛されたい。
……炎上騒動、自殺未遂、そして復活への覚悟。
自身の「居場所」と向き合った、異色の自伝的エッセイ。

定価
1,430円(本体1,300円+税10%)
ISBN
9784781615332
NDC分類
289
発売日
2017年4月14日
判型
四六判  
製本
ページ数
256ページ
カテゴリー
人文・思想

詳細Detail

  • 内容紹介
  • 目次
何気ない、悪意のない一言が、なぜ怒りを買ってしまうのか?
2014年、大学に通いながら潜入調査をして執筆した『キャバ嬢の社会学』で鮮烈なデビューを果たした社会学者・北条かや。
しかし、その2年後、twitterの炎上騒動から自殺未遂をし、休業を余儀なくされた。
これまでに読んだ社会学の本の論点と重ね合わせながら、「評価経済社会」のなかで悪戦苦闘した体験を赤裸々に描く。

北条かや(ほうじょう・かや)
1986年、石川県金沢市生まれ。同志社大学社会学部卒業、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。19歳のときに大澤真幸『身体の比較社会学』(勁草書房)を読んで衝撃を受けて以降、社会学に没頭。2014年、みずからキャバクラで働いて調査した経験をもとにした初著書『キャバ嬢の社会学』(星海社新書)が話題となる。著書に『整形した女は幸せになっているのか』(星海社新書)、『本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)、『こじらせ女子の日常』(宝島社)がある。「モーニングCROSS」(TOKYO MX)などに出演。
はじめに インターネット上で死なないために

序章  インターネットで死ぬということ―「炎上」で折れた心
「評価経済社会」で勝ち組になりたかった
「死んでおわびしなければ……」
インターネットで「北条かや」は何度も死んでいる
「とにかく反応しないことです」
リハビリは簡単ではなかった
エゴサーチをやめることで不安は消えた

第一章 文学少女が田舎で生きるということ―小学生時代
小学校三年生で「都落ち」した
文化資本なき学級の「バカ男子」
学校では「労働者階級の言葉」で話した
「バカなことは愚かなこと」だと考えていた
〈木嶋佳苗〉的な男性観を持っていた
そして、女友だちはいなくなった

第二章 スクールカーストで勝者になるということ―中学生時代
「中学デビュー」がしたかった
オタク系女子と一緒にされたくなかった
ヤンキー系女子と仲よくなりたかった
「ワザ。ワザ」
一軍、二軍、三軍
ファッションはスクールカーストを示
ゴスロリファッションは必然だった
「かや」の誕生
キャラさえあれば生き残れる
個性と居場所のバランスシート

第三章 オタク少女がギャルよりモテるということ―高校生時代
部活に生きることを選んだ
「二番手」「器用貧乏」の憂うつ
男子が怖かった
「ガリ勉天然キャラ」への転向
ギャル以上に男ウケするキャラを手に入れる
恋愛自体を目的にすることの愚かさ
東浩紀、上野千鶴子との出会い
京都の学生にシンパシーを感じる
立身出世のために学ぶということ
教授になるために社会学部を選んだ

第四章 社会学で出世を目指すということ―大学生時代前半
入学式で茶髪たちに圧倒される
孤立が怖くて髪を染める
「ほぼすべてにおいてすぐれている男子」との出会い
ホームシックとボーイッシュ少女
読書会で男子との共同作業を学ぶ
「見る側」に立つことで強くなれた気がした
「切実なものを研究したほうがいい」
大澤真幸先生の『身体の比較社会学』を読む

第五章 女が社会学をフィールドワークするということ
―大学生時代後半~大学院生時代
拒食症─身体に精神が追いつかなくなった
性的身体であることに耐えられなかった
「社会構築主義」と身体
女らしさをハンドルできない
キャバクラとの出会い
男性嫌悪と女を演じる快楽
大学院が安寧の場に見えた

第六章 社会学者が社会で働くということ―社会人時代
「反グローバリゼーション」の立論でつまずく
夢より幸せを選択したはずが……
祇園のホステス経験は就活で無双だった
女からカッコつきの「女」へ
「メガネキャラ」デビュー
ハイパー・メリトクラシーは手に入らなかった
そして、最下層に戻った
会社員としての存在意義が実感できない
救いは社会学ではなく向精神薬だった

第七章 「評価経済社会」で成功者になるということ―フリー時代
ライターの道に進んだ理由
「調査」という言葉への誤解
「死に損ない」と呼ばれて
インターネットが不寛容社会を生んだ

第八章 誰も私を殺せないということ―「炎上」からの復活
「三十歳の幼児」と診断される
デジタル・タトゥーは一生消えない
整形した女は幸せになっているのか
美容整形は自傷行為なのか

おわりに 病んでいたって、野心は持てる

オンライン書店で購入するPaper Books

イースト・プレスの紙の本は全国書店、オンライン書店でお求めいただけます。
※お近くの書店で在庫がない時は、全国の書店カウンターでお取り寄せいただけます。

新刊New Releases

next
prev