釜石の奇跡 どんな防災教育が子どもの“いのち”を救えるのか?

NHKスペシャル取材班

子どもたちの“犠牲者ゼロ”を生み出した防災教育と危機管理術

定価
1,540円(本体1,400円+税10%)
ISBN
9784781612812
NDC分類
374
発売日
2015年1月15日
製本
ページ数
260ページ
カテゴリー
政治・社会

詳細Detail

  • 内容紹介
  • 目次
大津波に襲われながらも、釜石小学校の子どもたち全員が生き延びた事実は、「釜石の奇跡」として知られる。その「奇跡」を生み出した背景には、ある大学教授が震災前から取り組み続けた防災教育があった。どんな防災教育なら、子どもの“いのち”を救えるのか? NHKスペシャル「釜石の“奇跡” いのちを守る特別授業」(2012年9月1日)は大きな反響を呼び、国内外で様々な賞を受賞。今回は危機管理術として学ぶ企業の姿も追いかけるなど、番組内容に追加取材を加えて書籍化。

NHKスペシャル取材班/執筆・福田和代(ふくだ・かずよ)
報道局報道番組センター社会番組部チーフプロデューサー。兵庫県神戸市出身。東京外国語大学大学院卒業後、平成7年NHK入局。NHKスペシャル『“生命”の未来を変えた男~山中伸弥・iPS細胞革命』、『横綱 白鵬~“最強”への挑戦~』、『自動車革命 第1回トヨタ新時代への苦闘』、『あなたの笑顔を覚えていたい』(第34回放送文化基金賞番組賞、第45回ギャラクシー賞奨励賞)など数多くのドキュメンタリーを手掛け、東日本大震災後は、クローズアップ現代『“命の情報”がつかめない』、『巨大津波が小学校を襲った~石巻・大川小学校の6か月~』やNHKスペシャル『復興はなぜ進まないのか~被災地からの報告~』、『釜石の“奇跡” いのちを守る特別授業』など、被災地の現状やそこで生きる人々の姿を取り上げる番組を多数制作している。
はじめに

第一部 ぼくらは大津波を生きた

第一章 あの日、子どもたちは
CASE1 幼い弟のいのちを守った拓馬くん
CASE2 家族に避難を呼びかけ続けた愛海ちゃんと駿佑くん
CASE3 お母さんを待たずに一人で行動した大喜くん
CASE4 咄嗟に友達思いの行動をした一輝くんと州くん
CASE5 あえて“避難しない”ことを選んだ兄弟
CASE6 大人顔負けの判断力を見せた釣りグループ
犠牲者ゼロの背景
一〇〇年先まで伝えたい
第二章 あの日、先生たちは
「明日が最悪の日になりませんように」
がれきを乗り越えて安否確認
喜びの声にわいた職員室
学校再開へ向けての決意
子どもたちの変化と先生たちの対応
「釜小防災の日」に込めた思い

第二部 釜石に学べ

第三章 立て役者・片田敏孝教授の防災教育
避難率わずか「一・七%」の衝撃
「防災講演会」の厳しい現実
乗り気ではなかった教育現場
先生たちの意識が変わった
逃げようとしなかった子どもたち
「脅しの防災教育」から「お作法の防災教育」へ
津波避難の三原則①「想定にとらわれるな」
津波避難の三原則②「最善を尽くせ」
津波避難の三原則③「率先避難者たれ」
自分のいのちは自分で守る「姿勢」

第四章 釜石小が育んだ「生きる力」
下校時津波避難訓練
「ぼく・わたしの安全マップ」
津波防災授業
「生きる力」を育む防災教育

第五章 反面教師としての「大川の悲劇」
学校管理下で起きた事故
地震発生から午後三時一五分頃まで
午後三時一五分頃から午後三時三五分頃まで
午後三時三五分頃から津波来襲まで
何が避難を阻んだのか
残された人々の悲しみ
遅れた検証
「悲劇」の教訓
問われた「事故後の責任」
A教諭の証言を求める遺族

第六章 全国の教育現場に広がる釜石の知恵
小木中学校の取り組み
「知る」ことから始める
生徒が動けば地域も動く
変わり始めた子どもたち
小学校の防災対策が地域に呼んだ波紋
大淀小学校の津波対策

第七章 企業の危機管理にいかす
JR東日本の苦い経験
釜石にヒントを得た「現地踏査」
富士通社員の反応
社員の中に生まれた変化
「経営学の神様」が分析する「釜石の奇跡」

おわりに ~そして未来へ~

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